クロスミントン♪Remaking  お悩みの技術を科学的に対策しようとするブログ


屋外でもバドミントンをやりたいというドイツ人プレーヤーの情熱が生んだ「クロスミントン」。
バドミントン技術指導者が、バドミントン、スカッシュ、硬式テニス、武道、投球術など多様なスポーツ技術をベースに、クロスミントン独自テクニックを分析し、お悩みの技術を科学的に対策しようとする技術ブログです。

2017年05月

こんにちは。樋口です。

相手から低くて高速な球をフォアサイドに打たれると、身体に近いところであっても手が出ないことはありませんか?

目が良くない、動体視力がよくない、本当にそれだけなのでしょうか?

今回は、打球時の視線の観点から速い球に手が出ない現象に迫ってみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。



(ステージ1)
【原因】打球する瞬間(インパクト)に、スピーダーが見えていない



最初から相手の方向(前方向)に顔を向けたまま打球したり、インパクトの瞬間に前(打つ方向、相手など)を向いてしまったりすると、スピーダーが視界から右外にはずれ、一瞬見失うため、ミスショットや当たり損ねをする確率が格段にあがってしまいます。

要は、打つ瞬間にスピーダーが見えていないのです。

ラリーがものすごく速いクロスミントンにおいて、上記のように「目で追って」見ようとすると、たちまち狭い目の視界からスピーダーが出て行ってしまい、スピーダーを見ないでスイングすることになってしまいます。

これが手が出なかったり、当たり損ねの大きな一因になります。



(ステージ2)
【対策】インパクト時はスピーダーの方に顔を向けて、両目で注視する



 
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打つ際にスピーダー(相手の打球)を見るということは、クロスミントンにとって非常に大切なことです。

「顔を動かしてスピーダーを追って見る」ということです。

サイドなら右横、アンダーハンドなら右斜め下方向に顔を向きます(オーバーヘッドストロークなら、右斜め上)。

そうすると、しっかりと両目から等間隔でスピーダーを捉えることで、正確にスピーダーとラケットの位置を把握できるため、インパクト、打球射出が的確になることが期待できます。

インパクト時は顔を右斜め横の打点を、両目の均等距離から注視するようにし(スピーダーを頂点に両目を結ぶ二等辺三角形)、インパクト後、ラケットのスイングが停止したら、相手を見るようにします。

スイング速度は速く、相手までの距離は長いので、充分に間に合います。



(ステージ3)
【理由1】顔を動かすと目の手ブレ防止機能が起動する

人間の目にはビデオカメラのような「手ブレ防止機能」が備わっています。
例えば、本を読むとき、活字に従って顔を左右や縦に動かしても、文字は特に問題なく読めるとおもいます。

しかし、顔を固定して本自体を左右や縦に大きく動かしたらどうでしょうか?非常に文字を追いかけるのに苦労するはずです。

この「手ブレ防止機能」は、頭部が動く場合のみに稼働し、目自体が動く場合は稼働しないのです。
頭部が動いた場合、その動きを脳が感知して、目は逆方向に動くように補正されます。

しかし、目だけを動かした場合、その「手ブレ防止機能」が働かないため、スピーダーを一瞬見逃してしまうことがあります。それがミスの増加につながります。



【理由2】両目で等間隔にスピーダーを見ると、立体視がより機能し、スピーダーの位置把握の正確性が増す

人間の目は、顔の前方に2つ位置していることから、2つの映像の誤差を利用して、脳(視覚野)が立体視(3D)をおこなって、物体を見ています。
その分、3D空間でどの位置にスピーダーが来ているというような空間座標を脳内(頭頂部の「空間認識野」)で参照しながら、スピーダーの打球動作を実行します。

顔をスピーダー方向にしっかりと向けることで、2つの目からスピーダーが等間隔になる分、正確なスピーダーの位置情報が脳に届けられ、その後の打球動作への指示に大きく貢献します。結果、打球動作のミスが減り、正確な返球確率が上がります。



(ステージ3)
【補足】

①顔が斜め前や横に向く分、首の筋肉の捻れ動作に引っ張られて、上半身や骨盤も斜め前や横方向に向きやすくなります。

身体は骨盤の向いた方向に真っ直ぐに動きやすくできている分(左足が出るので)、動き出しもスムーズになることが期待できます。


②バックハンドも同じ内容が当てはまります。

③技術レベルが上がってくると、顔を動かさずに視野の端(周辺視野)で相手やスピーダーの動向などを見ることも可能になります。

お試しください。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。


次回は「ゲームポイントをとったのに、逆転負け。どうして?(脳科学視点編)」です。

※練習で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。

こんにちは。樋口です。

ケガなくクロスミントンを楽しんでいくためには、練習や試合後の身体のケアがとても大切になります。

今回は、東京でプロトレーナー兼クロスミントン世界大会公式トレーナーとして活躍されている、宮崎靖裕氏(Miya ストレッチ)に、クロスミントンの練習や試合後のボディーケアについて、ボディーストレッチの視点からご提案いただきました。

クロスミントンに特化した特別寄稿でございますので、日頃の身体のケアに是非ともご活用ください。



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【特別寄稿リンク】

◎「クロスミントン運動後のアフターケア」
(PDF)(宮崎靖裕氏 作製2017)



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【補足】

宮崎氏は、クロスミントン及びバドミントンのプレーヤーでもあることから、左記競技のプロフェッショナルケアもおこなわれています。

ご興味のあるかたは、以下の連絡先までお問い合わせください。


【Miya ストレッチ】

(店舗情報)
ホームページ:http://miya-str.wixsite.com/stretch
営業時間:10:00 ~ 21:00
電話:03 – 6276 – 9699


次回は「身体の横や斜め前に来た球のミスが多い。どうして?(打球時視線編) 」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。

他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。」です。



こんにちは。樋口です。

スマッシュを打つときに、打球が思ったように沈まなくて、浮いてしまうことはありませんか?

今回はそんな現象について、ラケット面先端と手首の位置関係という視点から、原因と対策を考えてみます。
最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


(ステージ1)
【原因】インパクト時に、ラケット面の先端が手首を追い越していない(手首より後ろでインパクト)



スピーダーの打球軌道を下方向にするか、上方向にするかは、手首とラケット面先端の位置関係によって決まります。
ラケット面先端が手首真上位置より後ろであれば(手首を追いこしてなければ)、ラケット面は斜め上を向いた状態になりますので、スピーダーは斜め上方向に向かって飛行します(スマッシュが浮く状態)。

要は、打点を前に設定しても、手首や肘を前に出し過ぎてしまうと、ラケット面先端が手首を追い越しづらくなります。すると、ラケット面が斜め上に向いた状態でインパクトするため、スピーダーの弾道が浮いてしまうのです。


(ステージ2)
【対策】右手首が右目横30cm程度前に来たとき、右肘を伸ばすようにする。直後、ラケット先端を加速して、手首を瞬時に追い越すようにし、そこでインパクトする



重要なポイントは、ラケット面先端が手首を追い越すことです。

そうすると、ラケット面は手首の真上以降は下方向を向きますので、そこでインパクトしていただくと、スピーダーは下方向に飛んでくれます。

上記の通り、「ラケット面先端が手首を追い越すことを意識してインパクトすれば、下方向に打つことができる」を応用すると、打点がやや後ろや横になったときも、それを実行すれば下方向に攻撃的な打球を打つことが可能です。


(ステージ3)
【打球上下方向の微調整】打球に応じてラケット面先端をどこまで前に倒していくかで、微調整する

スマッシュの打球が浮いてしまうようであれば、ラケット面先端をもっと前に倒してインパクトをします。
逆に、相手コートよりショートしてしまうようであれば、ラケット面先端をもうちょっと倒さずにインパクトしてみます。

このようにラケット先端をどこまで倒してインパクトするかを意識して微調整をおこなうと、ミスショットや浮いたスマッシュの効率的改善が期待できます。


【補足】

この原理をもう一つ応用すると、ロビングで頭を越されたときに、高い球で返球するには、ラケット面先端が手首を追い越す前の状態でインパクトすれば打つことができます。
ラケット面が手首の真上より後ろですと、面は斜め上方向を向いているからです。

お試しください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は「クロスミントン運動後のアフターケア」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。

こんにちは。樋口です。

ラケット面は真っ直ぐに前を向いているのに、スピーダーの距離が伸びない、相手コートまで届かない、速い球に押されてしまうなどの経験はありませんか?

今回は、バックハンドグリップの握り方の視点からこれらの原因と対策を考えてみます。

最後まで、お付き合いのほど、宜しくお願い致します。


(ステージ1)
【原因】グリップを右横から握っているため、インパクトの瞬間に招き猫の手のような形になっている(猫手)



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この猫手でスイングすると、

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①前腕(手首〜肘)外側の筋肉が伸びきってしまう分、パワーが発揮しにくい

②打点の近くまで手首が来たときに、肝心のラケット面はまだ手首より後ろになってしまう分、打点が手前になって振り遅れてしまう

③低い球が来たとき、面が斜め上を向きにくい分、飛距離が伸びない

以上3点により、スピーダーが飛びにくくなります。



(ステージ2)
【対策】グリップの作り方と両腕のスイング方法



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《手順1》グリップは真上から握るようにする。手首はやや反らして、120度くらいに立てるようにする

《手順2》両腕を交差して閉じ、両肩の高さまで開く(野球塁審の「セーフ‼︎」のイメージ)


《重要ポイント》

※手首は120度をキープして、ラケットの下側フレームが小指より下がらないことを意識します。(下がると強く返しにくくなるのと、クロス方向に返球出来なくなります。)

※左向きになると、スイングの支点である右肩が前に向く分、ラケット面は正面に向き、後ろから前方向に移動することができます(=前方向に強く打てる)。

※骨盤右端も前に押し出していくと、より重い球が打てます。

※低い球は、手首を甲側に反らして、面がやや上を向くようにします。

※グリップはフォアハンドも上から握ります。横から握っていると、急にバックに打たれたときに「猫手」になってしまいます。


お試しください。


   スピードミントンジャパン社 バックハンドレッスン動画

最後まで、お読みいただきありがとうございました。


次回は「スマッシュの打球が浮いてしまう。どうしたらいい?」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。

こんにちは。樋口です。

クロスミントンの試合動画や、レッスン動画などをより立体的(3D)に見てみたいと思いませんか?

平面映像(2D)ですと、スピーダー(球)のスピードが速い分、見えずらかったりしますが、これが3Dの立体映像になると、より感覚がリアルになり、イメージしやすくなります。 

また迫力感も増しますので、上位ランカーの方々の試合や、ビデオで撮ったご自分の試合映像もより楽しむことができると考えます。

今回は、手軽になった立体映像でのクロスミントン動画鑑賞方法をご紹介いたします。
最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。



(ステージ1)
3D(3次元立体映像)動画とVR(バーチャルリアリティー(仮想現実))動画の違いは?


3D動画は、立体的に見える動画一般を指します。

VR動画は、自分の周囲360度がカバーされている動画で、各方向を振り向くと映像も対応して、振り向いた方向の映像に移動するという仕組みで、実際にそこにいるような感覚を作り出します(仮想現実)。

最新のVR動画は、これら2つの技術(3DとVR)を組み合わせて、現実にさらに近づけたものが主流になっており、専用のゴーグルで両目を覆って、現実の映像を遮断する形式で鑑賞します。

映像を表示させる機器も、手持ちのスマートフォンで鑑賞できるタイプが登場していますので、手軽に体験ができます。

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(ステージ2)
「Youtube(ユーチューブ)」の動画が3D対応している


現在、大手動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」が、動画の3D対応サービスを既にしておりますので、投稿されているクロスミントン動画はすべて3Dで視聴することができます。



(ステージ3)必要な機器は2つのみ!

①スマートフォン(「Youtube」が見れれば可能)

②VRゴーグル(VRヘッドセット) 

VRゴーグル



 これは、目を覆って現実の映像を遮断する役割と、ゴーグルについたレンズによって、3D用の2つに分けられた動画映像を一つにまとめる役割をします(2映像の微妙なズレを一つにすることで、その誤差を脳が立体と判断して、脳内で立体映像を作り出す仕組みです)。

ですので、電源は必要なく(電子機器ではありません)、まさにゴーグルです。

価格は、レンズの良し悪し、ゴーグルのボディ成型の良し悪し(段ボール製の製品もあります!)、目の位置調整機能などでグレードが変わりますが、比較的安価で購入できます。
(1000円台からあります。)

参考:「日経トレンディ:スマホでVR、VRゴーグル(おススメ)記事」  



(ステージ4)
【Youtubeの3D切換え方法】
(※スマホでは写真のレイアウトが崩れることがあります)

  youtube3D切換え方法1 IMG_2568 (1)
IMG_2580 (1) IMG_2581   

 ➔ VRゴーグルにスマホを装着して、ゴーグルをして鑑賞。



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【補足】

①あまり期待しすぎない

3D専用として作られた動画ではありませんので、過度な期待は持たない方が無難です。

②奥行きに関しては、一定の効果があるため、クロスミントンのように長い奥行きをスピーダーが高速で行きかう様子は、2Dより見やすく感じます。

   


③2Dより若干、映像が小さくなります。

お試しください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は「ゲームポイントをとったのに、逆転負け。どうして?(脳科学視点編)」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。


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