こんにちは。樋口です。
相手からの打球が前ぎみに浮いて、スマッシュいけるという球や、ちょっと後ろぎみに来た球をクリアなど、上打ちできる球を続けざまに打ち損じた経験はありませんか?
今回はそんな現象をテイクバックのタイミングの視点から考えてみました。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【原因】動いてから、また動きながら、テイクバックをしようとしているため、正しく構える時間が不足している
相手からの高い返球(ロビング)は、クロスミントンの打球が速い分、上打ちでの返球対応時間は思いのほか、短いものです。
その極めて限られた時間内で、動きと打球の2種類の動作をこなさなければならない分、動作の優先順位は重要になります。
実際は、スピーダー(ハネ)の下まで動いてから、打つという動作順番があるので、その順番に従って動作をすると、実は構える時間が不足してしまいます。
上打ちのスイング動作は、約7つの動作が連結した複雑な動作である分、完了まで時間がかかるのです。
ですので、それを後回しにすると、スイング動作とフットワーク動作に時間を喰われて、テイクバックの時間が不足してしまいます。
上打ちスイング動作は繊細で複雑なため、最初のテイクバックフォームが時間不足で崩れると、その後に連結する7動作は全て崩れてしまいます。
(列車の先頭車両が故障すると、後続車両も止まってしまうのと似ています)
(ステージ2)
【対策】構えて(テイクバックフォーム)から動く。構えたまま動く意識をもつ
ロビングが来たら、すぐに構えます。そして、そのまま無意識で動けるように練習をします。
(ステージ3)
【練習方法】自宅等で、構えて打点方向を見たまま、ウロウロ動く練習(シャドウ練習)をする
実際の動作としては、斜め上前を向いて、ラケットを頭上に乗せたまま動くことになります。この動作は日常では使わない動作ですので、無意識で出来るまで鍛錬が必要になります。
具体的な練習方法としては、ご自宅や練習場などで上記フォームをとったまま、前後左右に2〜3歩ウロウロすることが効果があります(右足スタートと決めておくと迷いにくくなります)。
このように基礎的なフォーム(構えや動き)を構築する際は、ラリーの中でおこなうより、シャドウ練習などで、相手打球のプレッシャーがない中でおこなった方が上達効率が上がります。
ボクシングのシャドウ練習や、武道における型練習などと共通する内容と考えます。
【補足】
ラリー内において、正しいテイクバックフォームを作ることは、上打ちの要素の中で、非常に重要な位置を占めます。
構えができていれば、後続のスイングも正しくできますし、構えが不十分でしたら、後続のスイングも不正確になりがちです。
そういう意味でも、基礎に忠実に構えてから動く、構えたまま動くということは正確な打球を打つ上で非常に大切になります。
(上達してくると、動きながら構えることは可能になります)
お試しください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は「打球後のスピーダー(自打球)は目で追わない(打球後視線編)」です。
※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。