クロスミントン♪Remaking  お悩みの技術を科学的に対策しようとするブログ


屋外でもバドミントンをやりたいというドイツ人プレーヤーの情熱が生んだ「クロスミントン」。
バドミントン技術指導者が、バドミントン、スカッシュ、硬式テニス、武道、投球術など多様なスポーツ技術をベースに、クロスミントン独自テクニックを分析し、お悩みの技術を科学的に対策しようとする技術ブログです。

2017年07月

730日、学齢前~小学生のクロミン初心者レッスンを行いました。



目標は

①イースタングリップの習得

②フォアハンドストロークの習得

③バックハンドストロークの習得

④フォアとバックの切り替え

⑤サービスの習得


でした。

結論としては、約8割のお子さんたちが上記習得できました。


特にフォアを打った後に、すぐバックハンドに切り替えて打てるのが印象的でした。

中には、ハイバック(バックで高い球を打つ技術)を使う子もいて、一般的に苦手な方の多いバックの習得率が高いことが印象的でした。


技術指導者として、以下のポイントを加味して、メニューを立案して臨みました。


1)飛距離がでないスポンジボールバドシャトル スピーダー(ファン)と順に移行させる


2)面持ちというように軽いバドラケットを短く持たせて、フォアバックの面を作る感覚を身につけさせてから、クロミンラケットに移行させる。

(ラケットスポーツの難しさはラケットが長いことにある)


(3)フォアバックの切り替えのコツをスポンジボール&面持ちの段階で教える


(4)正しい上打ちは難しいので、初回では教えない


そして、意欲の向上ですが、上手くできたら褒める、褒め方は非言語的方法(ゼスチャー、大げさな反応など)を柱に、端的な言葉で伝えます。


子どもが上手くいかなくて、イライラしたら、「こうしたらもっと良くなるなあ」「おじさんは100回空振りしたけど、君はどう?」などの言葉で、ちょっとしたミスも許容範囲であることを伝えます。


また、誰が一番多くラリーが続いたか?というゲーム形式で、競争する楽しさを演出すると効果的でした。



ーー具体的メニュー(計約2時間)ーーー



【1】面持ちレッスン


①説明(バドラケットの面持ちの仕方、パワーポジション(基本の構え)、フォアの打ち方)


②フォアハンド手投げ練習(スポンジボール)

大人が手投げ子どもがフォア打つ大人キャッチ


③フォアで打ち合い(スポンジボール)

大人と子ども、または子ども同士


④フォアで回数競い合い(スポンジボール)


⑤説明(バックハンド打ち方)


⑥バックハンド手投げ練習(スポンジボール)

大人が手投げ子どもがフォア打つ大人キャッチ


⑦バックで打ち合い(スポンジボール)

大人と子ども


⑧バックで回数競い合い


⑨フォアバックランダムで回数競い合い(スポンジボール)


⑩フォアバックランダムで回数競い合い(バドシャトル)




【2】クロミンラケット練習


①クロミンラケット(グリップ持ち)で回数競い合い(バドシャトル)


②クロミンラケット・スピーダーで打ち合い(大人と子ども同士)


③サービスのコツ(骨盤旋回)説明


④クロミンラケット・スピーダーで回数競い合い(大人と子ども同士)


シューズ(バド系室内靴)の緩みにくい結び方です。

参考にどうぞです。

こんにちは。樋口です。

技術レベルが上がってくると、相手からのサービスも高速な上、サービスラインギリギリの低空で入ってきて、返球が非常に難しくなります。

しかし、取らないと連続得点を許してしまうため、なんとしてもレシーブしたいものです。

今回はこの厄介な低空高速サービスの返球方法について、できない原因と対策を、レシーブ姿勢の視点から考えてみます。

最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。



(ステージ1)
【原因】低い弾道の打球に対して、目線の位置が高すぎる

高速低空サービス

クロスミントンはネットがない分、床や地面ギリギリの非常に低い打球を打つ際に、フルスイングできるという特長があります。(打者にとっては最高に気持ちがよいものです。)

その特長を生かしたのが、低空高速サービスですが、レシーバーにとっては非常に脅威になります。

低い高速サービスは、一度も目の高さに近づくことはありません。

目から遠いまま急接近してくる分、目(顔)を打球に向ける対応時間が少ないため、実際は打球時に下方向の視界から外れていて、スピーダー(相手打球)が見えていないリスクがあります。

スマッシュ

他方、スマッシュのように高い相手打点からこちらの打点(膝付近)と縦方向に目を横切る打球は、目線に打球が近づくため、KVA動体視力や縦方向の動態視力(DVA動態視力:縦横方向に動く物体を捉える視力 (Dynamic Visual Activity))を活用しやすくなります。



(ステージ2)
【対策】股関節を曲げることにより姿勢を低くして、目の視点をサービス打球に近づける


対応姿勢


目線を低くして、両眼をサービスの打球に近づけることで、スピーダー(相手打球)はよりレシーバーに真っ直ぐ向かって来るかたちになります。

これにより2つの効果が期待できます。

《効果》

①視界の真ん中にサービス打球が固定されやすくなることから、スピーダー(相手打球)が視界の外に出にくくなる

②スピーダー(相手打球)が真っ直ぐ向かってくることで、前後方向(奥行)に働く動態視力(KVA動態視力:近づいてくる物体などを捉える視力(Kinetic Visual Activity))の大幅な精度向上を期待できる。

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上記の「KVA動態視力」は、野球などで速球などを打つ際に使われる視覚能力で、かつて「球が止まって見える」と言った選手などは、この視覚能力が優れていたことをものがたっています。



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【注意点】

(1)視線を下げる際には、股関節を曲げるようにする

股関節を曲げるには、下腹部を太腿上部に近づけ、両手をやや強目に挟むようにします。

両膝を大きく曲げて姿勢を低くしようとすると、重心(骨盤内)も大きく下がってしまうため、動きにくくなってしまいます。特に、左右方向にサービス打球をずらされたときに対応が遅れるリスクが高くなります。

また、太腿上部にも大きな負担がかかるため、姿勢キープが難しくなることも危惧されます。


(2)KVA動態視力(前後方向の動態視力)は、一般的な視力や加齢に影響を受ける

近づいてくる物体への視力は、視力検査でおこなう静止している物体への視力や、加齢による視力の衰えなどが、縦横方向に移動する物体への動態視力(DVA動態視力)よりも影響するといわれています。

視力に問題がある場合は、スポーツ用眼鏡やコンタクトレンズなどで補正することで高速打球を捉える能力向上が期待できます。

また訓練によって向上も期待できるため、高速球を多く経験することや、動態視力向上用のスマートフォンアプリを活用することも一計と考えます。


(3)相手が高速サーバーであるか否か見て、姿勢を使い分ける

相手が高速サーバーであれば、低い姿勢で対応し、そうでなければ、通常の高さの構え(パワーポジション)で対応するというように、使い分けることがゲーム戦略として効果的と考えます。

また、低く構えているところに、フェイントで高めのサービスを打たれても、サービス打球の速度が落ちる分、レシーブ対応時間に余裕ができますので、返球確率は上がります。焦らないことが大切です。

お試しください。

参考:基本の構え(パワーポジション)

最後まで、お読みいただきありがとうございました。


次回は「スマッシュが遅い。どうすればよい?(打点編)」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。

こんにちは。樋口です。

どのスポーツにおいても構えというものは、非常に大切です。スキを作らず、効率的に動き攻守が行えるようにする、全ての動作の根本ともいえるものです。

今回はクロスミントンの基本姿勢(構え)である「パワーポジション」について考えてみます。

最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。


【1】構え方

 



【2】各動作の意義

①股関節を前屈

クロスミントンは基本的に相手からの距離が近い(エースショットになる時間が短い)前方向をカバーすることが最優先になります。

そこで前傾姿勢をとり、前方向の打球に動きやすくします。前傾姿勢は主に2つある股関節を使って、上半身を前に傾斜させます。

②両膝は軽く曲げる程度

両膝を大きく曲げると、姿勢は低くなりますが、重心(骨盤内)も大きく下がってしまうため、動きにくくなってしまいます。

くわえて、太もも上側(大腿四頭筋)に大きな負担がかかったり、下半身の膝が前に出る分、その反動で上半身(特に頭部)が後ろに傾いてしまうリスクが懸念されます。

③両膝上5cmの部分に全体重を載せる

これらに体重を載せる意識を持つと、前傾姿勢のまま、身体が沈みすぎずまた、お尻が落ちずにバランスがとれます。

④肩から先の腕は身体の前

両腕が身体の前にあると、前方向のシャトルに迅速に対応できることと、前傾姿勢を維持しやすくなります。 

⑤両肘の角度は約120度

肘が伸びてしまうと、ラケット面や重心が下がりすぎてしまうため、スイングしにくかったり、動きにくくなります。

⑥軽くアゴを引く

こうして上目遣いにすることによって、相手のラケット面や打球などを、目線と同じくらいの高さで見ることができるため、対応がしやすくなります。

⑦右足半歩前

左右方向はシャトル到達時間が比較的速く(スマッシュ、攻撃的ドライブなど)かつ、横方向にスムーズに動けるよう身体はできていないため、脚を横に大きく開き、重心(お尻)を振り子のように左右に移動できるようにします。

加えて、前後方向の動きもあるため、右足をやや前にして、前後方向に重心(お尻)移動をできるようにします。

⑧両足つま先はやや外に開く

踏み込み時に、前足つま先を横方向にも前方向にも向けやすいよう中間の右斜め前や左斜め前につま先を向けます。

また股関節もやや開いていた方が、重心(お尻)の左右移動がしやすくなります。

お試しください。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「高速サービスをリターンしたい!どうすればよい?(姿勢編)」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

こんにちは。樋口です。
ロビング(高めのレシーブ返球)やクリア(高めの上打ち)を打ったとき、相手から意表をついたカウンターショット(ドライブやスマッシュなど)やロビングなどをサイドや後ろなどに打たれて、対応できなかった経験はありませんか?
今回は、打球後の目線の置き方という視点から、この現象を考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

(ステージ1)
【原因】打球後のスピーダー(自打球)を注視しているため



空中を飛行しているスピーダーは周囲に比較対象物が少ない分、見てもスピーダーが床や地面のどの辺を飛行しているかという位置情報を把握できません。
つまりは打球後のスピーダーを目で追っても、相手の位置は把握できないため、相手が打球して始めて、相手の位置(ポジション)、何を打ったか(球種)、どこに打ってきたか(コース)などがわかることになります。
高速で飛行してくるスピーダーですので、対応が間に合わないという現象が発生するリスクが上がってしまいます。
《クリアなど高い返球や、サイドに動かされたときの返球は、特に自分が打ったスピーダー(自打球)を目で追わない(注視しない)よう注意する》
クリアなど高く打った球を目で追って(注視)してしまうと、上を見ているので下にいる相手が見えない分、相手のポジション(立ち位置)もわかりません。
また、サイドに振られた球も自打球を追っていると、相手が視野の端に来るため、相手の立ち位置などが見えづらくなりがちです。

(ステージ2)
【対策】打球、その後は速やかに、相手の足元を見て位置情報を、その後、相手のラケット面を見て返球情報を把握する(3点注視:打球時は自ラケット面注視)


また低くて速い球の場合は、自分のラケット面←→相手のラケット面の2点の繰り返し(2点注視)になります)
相手の位置情報や自打球の飛んでいる方向は、弾道が高い場合、相手の両脚を見ることでわかります。(相手は、こちらの打った打球方向に両脚を使って動くため)
スイング終了直後から両脚の状態を注視することで、相手の位置だけでなく、移動中なのか、どこに移動しようとしているのか、打球準備に入っているのかなど、未来の予見情報も把握できます。
次に、相手のラケット面を注視することで、何を打とうとしているのか(球種)、どのコースに、どんな速さの球を打とうとしているのか等を予測するための情報が、いち早く(打球前に)入手できます。
現在、未来と位置情報や時間軸の情報(予見情報)がいち早く多量に入手できる分、それらに対する準備を、より迅速かつ正確に実行することができるため、奇襲攻撃を受けるリスクの減少が期待できます。
また、低くて高速なラリーの場合には、相手の脚を見ている時間的余裕がないため、相手のラケット面を見ることによって、相手の位置と繰り出してくる打球などの予測をおこないます。
お試しください。


【参考】
※下記添付の動画はクロスミントン世界トッププレーヤーで、バドミントンも日本ランキングサーキットにミックスで出場されたアスリート・西村昭彦氏の動画映像です。
アスリートの目線の動き(自打球を追っていない)をご参考にどうぞです。
(前半の映像は日本ランキングサーキットに同じく出場された奥様の目線映像です)

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は「基本姿勢(構え:パワーポジション)を見直す」です。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。

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