こんにちは。樋口です。

クロスミントン界技術の向上(プレーヤーみなさんの技術の向上)と、基礎技術の指針作りのためには、他ラケット競技の技術研究は必須と考えます。
バドミントンは、腰付近及びそれ以上の位置における打球技術やディフェンス技術全般において、クロスミントンに共通する要素が多々あります。

【共通点】

①上打ち(オーバーヘッドストローク:頭上の打球を打つ技術)を比較的多用する。

非常に有効な攻撃手段になるとともに、こちらが劣勢になったときに、高く打球を上げて体勢を整えるディフェンスとしても有効。

→バドミントンはほぼ8割近い打球が、上打ちでおこなわれます(スマッシュ、クリアなど)。

クロスミントンも相手を時間的に追い込んだ時など、スピーダー(ハネ)を上げて来たときに、頭上から角度をつけてスマッシュを打ち込みます。

レシーバーの足元や下肢付近など目から離れたところに、重力を利用しながら打つ分、攻撃の有効な手段になります。

また、相手に時間的に追い込まれたりしたときに、体勢を立て直す時間を稼ぐために、ディフェンスの高い打球を打ちます(クリアー)。

このオーバーヘッドストロークは、腕の構造上、非常に複雑な動作構造をしているため、他のストローク(サイド、アンダー、バックなど)より難易度が高く、バドミントンプレーヤー以外は習得に難儀します。



バドミントンプレーヤーは、この点、非常に有利であると考えます。



②バドミントンのディフェンス技術が流用できる

→バドミントンは、シャトルが軽い分、速い打球に対してのディフェンス技術が充実しています。ラケット面を合わせて返球するなど、多くのクロスミントンにおける攻撃に対して、バドミントンのディフェンス技術を流用できます。

他方、クロスミントンの技術が上達してくると、攻撃も低空でかつ、高速、サイドギリギリなどを強襲してくるようになります。

そうなると、すばやくサイドに跳びつく技術、ラケットのスイングの支点を短くしてヘッドスピード(加速度)をあげる技術、腕を伸ばしながら腕を捻って打球する技術など、高度なバドミントンディフェンス技術が非常に有効になります。

それらを駆使することで、ディフェンスから攻守交代をすることも可能で、クロスミントンのディフェンス技術の領域を一気に拡げることができます。





③腰〜肩くらいまでの高さの打球を打つ技術(バドミントンなら「ドライブ」クロスミントンなら「プッシュ」)が酷似している

→この位置の打法の基本は、立てたラケット先端を前に倒しながら打つのですが、バドミントンはシャトルが飛びにくい分、肘関節と手首関節2つを使います。

それに対して、クロスミントンは打球の飛距離が飛ぶ分、肘関節を開くのみで飛ばすことができます。

バドミントンより動作が1つ少ない分、余裕が出ると考えます。





フットワーク技術は、バドミントンのほうが運動量(スタミナ、瞬発力等)で上回るため、クロスミントンでは余裕がでる
→フットワークに関しては、バドミントンのほうが遥かに運動量があり、スタミナも要求されます。加えて、瞬発力(短い距離を素速く動く、動き出す、ターンを繰り返すなど)も要求されます。
他方、クロスミントンは基本、打球が高速で真っ直ぐプレーヤーに向かって来てくれる分、前後の厳しい動きがほとんどありません(ロブへの対応くらいでしょうか)。
要は、フェイントを入れながら、前にポトンと落とされるような厳しいドロップショットがないと考えればわかりやすいと思います。



⑤スライス技術も流用できる
→インパクト時に、ラケット面を前方斜め下方向にスライドさせることで、球速を落とし、しかも打球の飛行距離は極端に落ちない。
この打球技術も流用できます。






【総括】

◉バドミントン技術は、クロスミントンの上からの攻撃とディフェンス全般、フットワークなどにおいて非常に有効である。

→他のラケットスポーツに比して、流用できる技術量が圧倒的に多いです。バドミントンプレーヤーは非常に有利だと考えます。

◉バドミントンで下肢(膝、腰、足首など)の慢性痛などに悩むかたでも、安心して取り組める
→フットワーク技術は、バドミントンのものとほぼ共通ということと、運動量においては余裕を感じられると考えます。

お試しください。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

※練習等で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。
他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上で、お読み、お試しくださればありがたいです。